高齢者の家事を家族だけで支えるのが難しいときの選択肢|親の暮らしを支える方法
高齢者の家事を家族だけで支えるのが難しいと感じたら
高齢の親が一人暮らしをしていたり、夫婦だけで暮らしていたりすると、年齢とともに家事の負担が少しずつ大きくなることがあります。
若いころは問題なくできていた掃除や洗濯、買い物なども、
「掃除機をかけるのが大変になった」
「お風呂掃除で腰がつらい」
「洗濯物を干すのが負担」
「重い買い物袋を持てない」
「ゴミ出しが大変」
など、できることが変わってくる場合があります。
そこで家族がサポートできればよいのですが、実際には仕事や子育て、家族の用事などがあります。
親のために毎週実家へ通うことが難しい家庭も多いでしょう。
最初は「家族で何とかしよう」と思っていても、長く続くと家族側にも大きな負担がかかります。
そんなときに大切なのが、家族だけですべてを抱え込まず、必要な部分に外部の支援を取り入れることです。
なぜ高齢者の家事は負担になりやすいの?
高齢になると、家事が難しくなる理由はいくつかあります。
体力を使う掃除が大変になる
掃除機を持って部屋を移動する、床を拭く、お風呂を洗うなど、掃除には思っている以上に体力が必要です。
特に、しゃがんだり立ち上がったりする動作が多い掃除は負担になりやすくなります。
重い物を運ぶことが大変になる
洗濯物をまとめて運ぶ、布団を動かす、飲料や米などを購入するなど、重い物を持つ場面も家事の中にはたくさんあります。
そのため、以前は普通にできていたことでも、少しずつ負担になっていくことがあります。
「できるけれど、疲れる」状態になる
高齢者の家事で見落としやすいのが、「できない」わけではないということです。
掃除はできるけれど時間がかかる。
洗濯はできるけれど干すのが大変。
買い物には行けるけれど重い物が持てない。
このように、すべてを自分でできなくなったわけではなくても、日常生活の中で疲れや負担が積み重なることがあります。
家族だけで難しいときの主な選択肢
高齢の親の生活を支える方法は一つではありません。
家族の状況と親の困りごとに合わせて、必要な支援を組み合わせることが大切です。
1.家事代行を利用する
掃除や洗濯などの日常的な家事をサポートしてほしい場合、家事代行が選択肢になります。
依頼できる内容はサービスによって異なりますが、一般的には、
・掃除機がけ
・床掃除
・トイレ掃除
・浴室掃除
・キッチンの掃除
・洗濯
・整理整頓
など、普段の生活に必要な家事を依頼できる場合があります。
「家事を全部やってもらう」のではなく、負担の大きな部分だけお願いする方法もあります。
たとえば、掃除機がけは本人が行い、浴室掃除だけお願いする、といった利用方法です。
2.見守りを含む生活支援を利用する
家族が心配するのは、掃除だけではないこともあります。
「親が元気に暮らしているか知りたい」
「一人暮らしなので、定期的に誰かに来てもらいたい」
「家事をしながら様子を見てもらえると安心」
という場合は、見守りを含む生活支援を検討する方法があります。
定期的に人が訪問することで、家族が直接行けない期間でも、暮らしの様子を確認するきっかけになります。
ただし、見守りサービスの内容は事業者によって違うため、何を確認してもらえるのかを事前に確認しましょう。
3.買い物支援を利用する
買い物も、高齢者にとって負担になりやすい家事の一つです。
特に、
・重い飲料を運ぶ
・米や日用品を持ち帰る
・スーパーまで移動する
・買い物後に荷物を運ぶ
といった作業は大変になりやすいものです。
買い物支援や宅配などを上手に利用すれば、親自身が無理をして重い荷物を運ばなくても済む環境を作ることができます。
4.家族で役割を分担する
外部サービスを利用すると同時に、家族の役割分担を見直すことも大切です。
例えば、
近くに住む家族は定期訪問
遠方の家族は電話やオンラインで確認
家事代行は掃除や洗濯
必要なときだけ家族が実家の整理
というように、役割を分けます。
全員が実家へ通う必要はありません。
それぞれの生活状況に合わせて、「できること」を担当する形にすると、家族の負担を減らしやすくなります。
5.実家の片付けや整理を進める
家事が大変になっている家庭では、物が多すぎて掃除しにくくなっていることもあります。
床に物が置かれていると、掃除機をかける前に片付けなければなりません。
そのため、日常的な掃除を楽にするには、実家の片付けや整理を少しずつ進めることも大切です。
ただし、親の物を家族が勝手に処分するのは避けましょう。
親にとって大切な物があるため、本人に確認しながら進めることが重要です。
家族がすべての家事をやらなくてもいい
高齢の親を支えるとき、「子どもなのだから自分たちがやらなければ」と考える方もいます。
もちろん、できる範囲で家族が支えることは大切です。
ただし、家族にも仕事や家庭があります。
親のために頑張りすぎて、家族自身が疲れてしまっては長く続きません。
そこで、
「家族がやること」
「親本人がやること」
「外部サービスに任せること」
を分けて考えてみましょう。
これは親を見放すことではありません。
むしろ、家族が無理なく支援を続けるための方法です。
「全部お願いする」のではなく必要な部分だけ使う
生活支援サービスを利用することに抵抗がある高齢者もいます。
「まだ自分でできる」
「人に家事を頼むのは申し訳ない」
という気持ちがあるからです。
そのため、最初から家事を全部お願いする必要はありません。
「浴室だけ」
「月に1回だけ」
「重い作業だけ」
「掃除機がけだけ」
など、必要なところから始める方法があります。
本人が納得できる範囲で利用することが、長く続けるポイントです。
高齢の親が家事を嫌がるときの声かけ
親にサポートをすすめるときは、言い方にも気をつけたいところです。
「もう自分ではできないでしょう」
「掃除できないなら人に頼んだら?」
という言い方では、本人が嫌な気持ちになることがあります。
代わりに、
「お風呂掃除は大変だから、そこだけお願いしようか」
「高いところは危ないから、そこは私がやるよ」
「毎回掃除に行けないから、月に何回かお願いする方法もあるよ」
といった伝え方なら、比較的受け入れやすくなります。
大切なのは、親のできないことを指摘するのではなく、これからも安心して暮らすためのサポートとして伝えることです。
こんな変化があったら生活支援を考えるタイミング
次のような変化があれば、一度家族で支援方法を見直してみましょう。
・以前より家が汚れている
・洗濯物がたまるようになった
・買い物の回数が減った
・重い物を持たなくなった
・料理をする回数が減った
・家族が頻繁に掃除へ通っている
・本人が家事について「大変」と話すようになった
一つだけではなく、いくつか重なっている場合は、日常生活の負担が大きくなっている可能性があります。
まだ何とかできている段階で、今後のサポート方法を考えておくと安心です。
生活の変化が大きいときは、家事以外の支援も考える
掃除や洗濯だけでなく、食事、入浴、外出などにも大きな困りごとが出ている場合は、家事代行だけで対応しようとしないことが大切です。
生活全体を見て、必要に応じて介護や福祉の専門機関などにも相談しましょう。
家事の支援と、介護・福祉の支援は同じものではありません。
「何が必要なのかわからない」というときこそ、早めに相談することで、家族だけで悩み続ける負担を減らせます。
家事代行17年の経験から感じること
家事代行を17年経験してきた中でも、高齢者のご家庭では「掃除ができない」というより、今までと同じやり方では家事が大変になっているというケースがあります。
掃除機を持って移動すること、浴室でしゃがむこと、高い場所の掃除、重い物の持ち運びなど、年齢とともに負担になる作業は少なくありません。
だからこそ、「できなくなってから全部お願いする」のではなく、負担が大きくなった部分から少しずつサポートを取り入れる方法があります。
本人ができることは続けてもらい、難しい部分は家族や外部サービスが支える。
この形なら、親の生活を大切にしながら家族の負担も減らしやすくなります。
まとめ|高齢者の家事は家族だけで抱え込まないことが大切
高齢の親の掃除や洗濯、買い物などを家族だけで支えることが難しくなったら、無理をして頑張り続ける必要はありません。
利用できる方法には、
家事代行
見守りを含む生活支援
買い物支援
家族での役割分担
実家の片付けや整理
などがあります。
重要なのは、親にも家族にも無理のない方法を選ぶことです。
家事を外部にお願いしたからといって、家族の役割がなくなるわけではありません。
掃除は家事代行に任せて、家族は会話や食事、訪問などに時間を使うという考え方もできます。
「家族が全部やらなければ」と考えず、親の暮らしを長く支えられる方法を探してみましょう。
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